第207章 理由のない敵意

小林圭吾はちらりと横目で見た。ガキはガキだ。言葉に遠慮ってものがない。人の古傷をほじくり返すのが得意ときた。

「ゴホン。よく見とけ」

圭吾は得意げに手を持ち上げ、みんなに見せつける。だが小林淳はしげしげ眺めても違いがわからず、考えるより先に口が出た。

「手ぇ見せて、どうすんの?」

その脳天気な一言に、圭吾は奥歯をぎりっと噛みしめる。そこで、横にいた水野佑奈が口を開いた。

「指輪よ。圭吾兄さんには指輪。お仕事がどんどん上向くように、って」

小林茜は圭吾の指輪を一瞥し、次に自分のルビーのネックレスへ視線を落とす。目がふっと細くなった。……なるほど、贈り物の「刺さるところ」を外さない。...

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